2012年7月7日土曜日

トリニタ・ディ・モンティ教会

スペイン広場の風景に欠かせない、階段上にそびえ立つゴシック様式のこの教会、ローマを訪れても実際中へ入る人は少ないのではないかと思います。

正式名称はTrinita' dei Monti(丘の上の三位一体教会)といい、実はスペイン階段が完成の300年前にこの地に完成しました。
時は16世紀初頭、フランスによるナポリ征服を記念してルイ12世の命により建設されました。
フランス様式のため、教会名が人の名前(サン・ピエトロなど)ではない事、そして2本の塔によるゴシック様式 であることなど、イタリアの他の教会と違った特徴があります。

下の画像は、建設当時の素描です。
正に丘の上に経っており、スペイン階段は影もカタチもありません。

トリニタ・ディ・モンティの眺め(1632)
早速、教会の中へ入ってみましょう。
長いスペイン階段を登った後ですが、入口へはさらに10段程度の階段を登ります。
内部は意外にこじんまりしていますが、左右に並ぶ祭壇の美術作品はとても充実しています。
フレスコ画、油彩、そして彫刻と様々な技法で、聖書の有名な場面を主題にした作品が並び、それぞれの物語を思い起こしながらじっくりと見て回るには、ちょうどよいスペースだと思いました。
キリスト降誕
キリスト降架
聖母被昇天
ピエタ
 スペイン広場の喧騒は完全にシャットダウンされ、静寂な空気の中、心を洗われる気分になります。


教会を出ると、イタリア特有の強烈な日差しに思わず目が眩みます。

スペイン階段というと、いつも沢山の人が座っているイメージですが、真夏の昼間ともなるとさすがに日差しが強すぎて、写真撮影の後は素早く立ち去る人がほとんどです。

7月7日現在。