2012年5月31日木曜日

Santa Maria degli Angeli 教会


【解説】 
正式名称 Basilica di Santa Maria degli Angeli e dei Martini。

ローマ帝国皇帝ディオクレティアヌスが306年に建設したディオクレティアヌス浴場(Thermae Diocletiani)の一部を再利用して、1563年ミケランジェロの設計により建設。
イタリア王国時代(1861-1945)には、国教会に指定されており、当時の国王ヴィットリオ・エマヌエーレ3世の結婚式、そして第一次世界大戦の主要人物の墓所となっている。
現在でも、国外で戦士したイタリア人兵士のための追悼式などに使用されている。

共和国広場

正面入口

 意外に知られていませんが、テルミニ駅のすぐ近くに、中世の偉大な芸術家ミケランジェロの設計した教会があります。
入り口は共和国広場に面しており、いかにも古代遺跡を再利用した趣きの外観で、一見、教会とは気づかないかもしれません。

内部に入ると、交通量の多い広場の喧騒を忘れさせる、静寂の大空間が広がります。
(石造りなので、夏はけっこう涼しいです)

教会の内部レイアウトはギリシャ十字型になっており、左右正面の翼廊の奥にそれぞれ大きな祭壇があります。

左 - 正面 - 右
左の祭壇の脇には巨大なパイプオルガンがあります。

又、左祭壇の近くの小部屋が、教会の歴史やレイアウトを説明した展示室となっています。
赤い部分が教会、上部半円が共和国広場。
教会部分の平面レイアウト。
上空からの写真。下が教会入り口。左上の四角い庭園へはローマ国立博物館から入場できます。

私が初めてこの教会を訪れたのは、5年前、当時の語学学校クラスメイトのスウェーデン人医師の案内でした。
その時、彼の話してくれた「僕は今は無神論者だけど、キリストの教えには賛同している部分もある。それは、「許すこと(forgiveness)」「受け入れること(acceptance)」 の2つだ。」という言葉が、今も心に残っています。
(ヨーロッパの中年男性、時々ハッとさせられるような深い事を言いますね!)




2012年5月28日月曜日

ミルヴィオ橋




【解説】
ミルヴィオ橋(イタリア語: Ponte Milvio、ラテン語: Pons Milvius)はローマの北にある橋で、テヴェレ川にかかる最も重要な橋の1つ。
紀元前206年、執政官ガイウス・クラウディウス・ネロがメタウルスの戦いでカルタゴ軍を撃退した後にこの橋を建設した。紀元前115年、執政官マルクス・アエミリウス・スカウルスが同じ場所に新たに石造りの橋をかけ、以前の橋を取り壊した。312年、コンスタンティヌス1世が強力なライバルだったマクセンティウスをこの橋とサクサ・ルブラの間で撃破した。世に言うミルヴィオ橋の戦いである。
1429年、教皇マルティヌス5世が崩壊していた橋を再建させた。  - wikipedia



ローマ帝国の歴史に関する書物を読んでいると、なにかと登場する、首都の北玄関ミルヴィオ橋。
中心部から少し離れた場所ですが、建設から2千年以上も経つ今でも市民の生活に溶け込んで現役活躍中の歴史的名所を見物に出かけてきました。

橋の北側入り口には、立派な門がそびえ立っています。
ここが古代ローマ帝国首都の入り口だったのですね。

橋の上から望むテヴェレ川の眺めは、静かに澄み渡り、ローマの喧騒を忘れさせてくれます。

これは21世紀に入ってから始まった言い伝えでえすが、ミルヴィオ橋の上に南京錠を留めつけると恋が結ばれるとのこと。
今では訪れる人が多いためか、専用の支柱が何本も設置され、世界各国のカップルの思いが詰まった南京錠がビッシリです。
万が一、持参するのを忘れたカップルも、橋の上では簡易屋台で南京錠を売る商人が常駐(?)していますので、その場で購入OKです。


【交通】
地下鉄A線Flaminio駅より、2番トラムの乗り、5個目(カーブ直前)で下車。
そのままトラムが進んできた進行方向に向かって歩いてすぐ。

2012年5月27日日曜日

スペイン階段の四季


スペイン広場(イタリア語:Piazza di Spagna)は、イタリア・ローマ市の都心部にある広場。「スパーニャ」 とは「スペイン(エスパーニャ)」のイタリア語呼称で、間近にあるスペイン大使館にちなんで命名された。広場の中央には、ベルニーニ作「バルカッチャの噴 水」がある。東には後述の大階段がある。西側はコルソ通りに向けてコンドッティ通りがある。

スペイン広場には、トリニタ・デイ・モンティ教会へと続くトリニタ・デイ・モンティ階段、通称「スペイン階段」が接する。 設計はフランチェスコ・ディ・サンクティスによるもので、1725年に完成した。波を打つような形態はバロック的な効果をあげている。 



ローマの風景といえば、多くの人が心に思い浮かべるスペイン階段。

 広場から見上げる、変化に富んだ美しい階段とその背後にそびえたつ教会、そして澄みきったイタリアの青空、全てが計算しつされたかのような完璧なハーモニーを醸しだす素晴らしい眺めです。
四季を問わず、常に観光客とローマっ子で賑わうスペイン広場では、期間限定のイベントやデコレーションなど、季節によって違った表情を見せ、訪れる人々の目を楽しませます。

毎年4〜5月には、花の咲き誇る鉢植えが階段中腹やテラスに配置され、春の陽気に彩りを添えます。

 6月のイタリア建国記念日には、ミリタリーバンドによる屋外コンサートが開かれました。

クリスマス前には、Bigサイズのプレセピオ(キリストの誕生の場面を再現したドールハウス)が登場します。
※主役のキリスト人形は、聖書の物語に従ってクリスマス当日からのディスプレイです。

2009年11月、見慣れたはずのスペイン階段が、珍しい光景に一変しました。

ベルリンの壁崩壊から20周年を記念したモニュメントです。
さりげなく設置されたスピーカーから重々しい音楽が流れ、現代ヨーロッパへの大きな流れの変化を起こした当時の様子が思い起こされます。


常に大勢の人で賑わっているスペイン広場ですが、朝ちょっと早起きして出かけると、驚くほど閑散としています。
上の写真は、ある冬の朝、9時過ぎの光景です。
それほどすごい早朝というわけではないのに、周囲のお店が開店する10時前のスペイン広場は、通勤で行き交う人々はけっこういますが階段へ近づく人はほとんどいません。
人混みに遠慮せずに落ち着いて写真撮影するにはベストタイミングです。
広場周辺のバールは8時前からオープンしていますので、朝のコーヒータイムを楽しむついでに出向いてみるのもオススメです。



2012年5月25日金曜日

Auditorium Parco della Musica






Auditorium Parco della Musica

Renzo Piano による設計で、2002年完成。
ローマ北部の1960年オリンピック開催エリアに位置する。
3つのコンサートホール、1つの野外劇場で構成されており、建物の個性的な外観から「3匹のセミ」「カブトムシ」「カメ」「マウス」など、様々なニックネームでローマ市民に親しまれている。



パリのポンピドゥーセンター、関西国際空港、そして2012年ロンドンオリンピック開催に合わせて建設されたShardなど、イタリアを代表する現代建築家の偉大な作品が、ここローマにも存在します!

バス停から建物を見る。

テルミニ駅から910番バスで約30分、建物前に到着です。


敷地内には、BookShopやカフェが併設されています。

BOOKSHOP
広く落ち着いた店内には、建築、美術、音楽、そしてCD,DVDなど、アート関係が充実しています。
AuditoriumガイドブックやR.Pianoデザインのオリジナルグッズにも注目。

 
建物内のカフェ




独立カフェ
 建物内のスタイリッシュなカフェも素敵ですが、通りを挟んだ向こうにある緑の中のオープンカフェが天気のよい日は気持ちよさそうです。

コンサートホール併設カフェ



4つのコンサートホール(室内3,屋外1)があり、一番大きいSanta Ceciliaホール(収容人数2742)では、イタリア最古の由緒あるオーケストラ「Accademia di Santa Cecilia」が、秋から初夏にかけて毎週定期公演を行っています。

ホール内の工夫を凝らされた客席配置はとても快適で、どのカテゴリーの席でも見晴らしがよく、特上席の気分を味わえます。

Santa Cecilia ホール
Sinopoli ホール


Cavea 屋外ホール



Accademia Santa Cecilia公式ホームページ
http://www.santacecilia.it


Auditorium Parco della Musica公式ホームページ
http://www.auditorium.com


サンピエトロ大聖堂のクーポラ



サンピエトロ寺院平屋根から見たクーポラ。
サン・ピエトロ大聖堂Basilica di San Pietro in Vaticano)はバチカン市国南東端にあるカトリック教会の総本山。サン・ピエトロは「聖ペトロ」の意で、キリスト教の使徒ペトロ(ペテロ)のイタリア語読みに由来する。
世界最大級の教会堂建築であり、創建は4世紀。現在の聖堂は2代目にあたり、1626年に完成したものである。高さ約120m、最大幅約156m、長さ211.5m、総面積は49,737m²。
- Wikipedia


入場は、サンピエトロ広場の建物に向かって右側から。 大聖堂入場の人達と一緒にセキュリティーチェックの列に並びます。
※常に長蛇の列ができていますが、実際並んでみるとそれほど時間はかかりません。

料金表


セキュリティーチェックが終わったら、クーポラ入り口の通路へ。

料金設定は2通りです。

パターン1:
地上から平屋根までエレベーター + クーポラ頂上まで階段(320段)。7ユーロ。

パターン2:
地上からクーポラ頂上まで全て階段(551段)。5ユーロ。


エレベーターで平屋根部分まで上がり、クーポラ内へ。
まずはゆるい坂道を登り、内部の天井画を見上げ、大聖堂内部を見下ろします。


 そして、いよいよ登頂開始です!
きちんと舗装されていて意外に登りやすいです。
上に行くほど通路が細くなります。
 登頂者は1列に並んで進むため、かなりの交通渋滞。。。
10段登ると列がストップ、というペースで、ほどよく足を休めながら、あまり疲れを感じる間もなく頂
上へ到達しました。
バチカン市国の敷地内(貴重な眺めです!)

クーポラから見たサンピエトロ広場
頂上の眺めを楽しんだら、下り専用の階段で再び平屋根部分へ降ります。
屋上のようなスペースになっており、土産物店、シンプルなカフェ(座席ナシ)、トイレがあります。

下り専用エレベーターに乗り、地上へ降ります。
エレベーター降り口から、ヒョッコリと大聖堂内部に出ますので、引き続き見学をお楽しみください。