2013年3月2日土曜日

Galleria d'Arte Moderna


今回は、イタリアではちょっと珍しい、国内モダンアート作品を専門に展示する美術館をご紹介します。
場所はスペイン階段にほど近い、坂の中腹に建つ、サーモン色の外壁が眩しい建物です。


Galleria D'Arte Moderna di Roma Capitale

1925年、開館。 建物は16世紀の修道院を改装。
近年には改装工事のため閉館しており、2011年11月に新装Open。
イタリア国内の19-20世紀に活躍した芸術家作品コレクションを展示。


建物自体は築500年ということになりますが、内部はすっかり改装され、最新設備が整った快適な空間です。



展示スペースは1〜3階まであり、ジャズ音楽など静かに流れる中、センスよく配置されたハイクオリティー、かつバラエティに富んだ作品を、興味深く眺めて回りました。
著名なルネサンスの芸術家達と違って、イタリアの近代芸術家は、あまり知名度がないため、全く予備知識ナシの状態での鑑賞となります。
ですが、生きていた時代が近いせいか、割りとすんなりと作品の世界に入っていけるように感じました。

館内では、フラッシュ無しであれば写真撮影OKとのことなので、個人的に注目した作品をいくつか撮影してみました。


  「静物画」 Afro Basaldella (1912-1976)
とても王道、かつ溢れ出る非凡な才能を感じる静物画だと思いました。
バランスのよい画面構成、モチーフのチョイスにも工夫が凝らされ、鑑賞者をいつまでも魅了し続けます。


「家族の肖像」 Nino Caffe' (1909-1975)
暖かい色合いが、一昔前の家族の記念写真のようなムードを醸しだしています。
家族全員、1つの画面に収まっていながらも、各人それぞれ違った想いを抱えているような。

この画家の風変わりな名前が気になり、ネット検索してみたら、なんとebayで多数の作品が販売されていました。

不思議な修道僧の群れ(?)を主題にした作品が得意のシリーズなようです。
上の絵は、販売価格3,000ユーロ(36万円)。
その気になれば、手が届きそうな微妙な価格。。。モダンアートは著名作家であっても一般人でも入手可能であると知りました。


 「クレオパトラ」 Girolamo Masini (1840-1885)
作品に近づいただけで、最大級のフェロモンを感じ、素通りするのは不可能なほどです。
古代ローマ時代の権力者達を次々と虜にした「絶世の美女」として知られるクレオパトラ、この像からは女王の威厳は完全に除外されていますが、そんなことなど全く問題にならないほど、女性の魅力を最大限に表現しています。
冷たい大理石から、ここまで人間の生々しさを表現するとは素晴らしいです。

同作家 Girolamo Masini による彫刻は、古代ローマの中心であるカンピドリオの丘にも展示されています。

Cola di Rienzo 像。
ベネツィア広場の脇からカンピドリオの丘へ登る階段の左の芝生に立っています。
Cola di Rienzoは14世紀に活躍した、最後の護民官と呼ばれる人物。
歴史の中では、善悪つけるのが大変難しい人物ですが、作者のGirolamoはこのような歴史上の有名人を自分の中で想像を膨らませて彫像を創り上げることを得意としたのかもしれません。


 Galleria D'Arte Moderna di Roma Capitale
adress: Via Francesco Crispi 24
open: Tue-Sun 10:00-18:00