2012年12月19日水曜日

San Vitale 聖堂

クリスマスの買い物客で賑わうNazionale通り。
立ち並ぶ商店の間に、ふと、半分地中に埋まった窮屈そうな姿の、不思議な教会が目に留まります。
見るからに古そうな外観に惹かれて、階段を降りて中へ入ってみました。

道路から見た外観

Basilica San Vitale

4世紀に建立された、初期キリスト教聖堂。
402年に教皇イノケンティウスにより建築され、412年に聖Vitaleに捧げられる。
その後、1475年のジュビリー祭のために、教皇シクトゥス4世による大規模な改修工事が行われ、現在の姿に至る。
1859年にNazionale通りが建設された際に、路面から下りる階段が取り付けられた。



現在の地上からは10メートル程下がったところが教会の地盤になっています。
1500年ほどの間に、土石の堆積などにより地上面はずいぶん上がってしまったのですね。

入口の脇には、可愛らしいクリスマスツリーが飾られていました。

そして、入口ドアには、思わず目を見張るような精巧な浮き彫りがビッシリと施されています。
このドアは17世紀になってから取り付けられた物とのこと。
かなりのお値打ち感があります。

 扉を開けて、中へ入ると、屋外の日光とのコントラストのせいか、真っ暗で目が慣れるのに時間がかかります。

あまりの暗さに写真がよく写らないため、Webで拝借した内部写真が下のものです。


訪れた日は、表通りのクリスマスの賑わいとは対照的に、聖堂内には男性が1人座っているだけで、とても落ち着いたムードでした。
見学中は、ヴィヴァルディのマンドリン演奏による協奏曲が流れており、まるで中世にタイムスリップしたかのようです。

12月ということで、聖堂中央にはプレセピオ(キリスト誕生の場面を再現したドールハウス)が飾られていました。

 中央の飼い葉桶はカラッポでまだキリストの姿はありません。
キリスト誕生の24日夜になると、さりげなく乳児の人形が設置されます。


ローマは毎年12月になると、地元民はもちろん海外からのショッピング客で大賑わいです。
そんなショッピング街にも、教会はローマのいたる所に必ずあります。
入場は自由なので、気に入った教会を見かけたら、思い切ってドアを押し開け、しばらく聖堂内に座って、買い物熱で高ぶった心を鎮める という利用法(?)もありかと思います。


Basilica San Vitale
Via Nazionale 119