2013年5月6日月曜日

チヴィタヴェッキアへ。


今年のローマは、春を飛び越していきなり夏が来たような、強烈な日差しが4月末から始まっています。
とはいえ、天気はいまだ不安定で、今日は肌寒い雨天。。。
快晴のタイミングを見計らって、初夏の海岸へ出かけることにしました。


 今回の目的地、Civitavecchia は、ローマから海岸線を約60キロ北上した場所に位置する、ローマを代表する外港の都市です。
地中海を巡る大型客船が寄港する港として有名です。

ローマ・テルミニ駅から直通電車で約1時間で到着です。

civitavecchia駅
 駅舎を出て、右へ進むとチヴィタベッキアの港と町の中心部へ。
そして左へ進むと、日本人としては是非とも訪れたい「日本殉教者教会」があります。

教会外観。正面はアッシジの聖フランチェスコ像。
 日本殉教者教会(Chiesa dei Santi Martiri Giapponesi) は、フランチェスコ会に属する教会で、16世紀に長崎で刑死した26名のキリスト教徒のために建てられました。

簡単に歴史を紹介すると、1597年に豊臣秀吉の命により26名のキリスト教徒(宣教師1名を含む)が京都で捕らえられ、長崎にて十字架刑で殉教します。
その約260年後に、バチカンにて全員が「日本26聖人」として列聖の認定を受けます。
それを記念して建立されたのが、この教会です。

建立当時は、内装のフレスコ画はイタリア人画家による作品でしたが、当時、日本の文化に関する知識が乏しかったため、我々日本人が見るとかなり落胆する出来栄えだったそうです。

建立から約100年後の1860年、日本人のクリスチャン画家である長谷川路可の手により完成した壁画が現在に至っています。


  内部はシンプルな造りになっており、中央祭壇と、左右に3室ずつの礼拝堂で構成されています。
ドーム中央の着物姿の聖母子像が、とても印象的です。


 祭壇両脇の、殉教当時を描いたフレスコ画の日本人像も、思わず異国に居ることを忘れて見入ってしまいます。

刑場への道中。
十字架に掛けられる教徒たち。
 左右の各礼拝堂のフレスコ画も、長谷川路可の手によるもので、さりげない日本人テイストに心が温まります。
キリスト像と、天女のような6天使。

パドヴァの聖アントニオ。
アッシジの聖フランチェスコと、足元にCivitaveccihaの町。
この教会は、現在、専属で管理する神父が不在とのこと。
そのためか、堂内は少々荒れ果てたムードを感じました。
床にはゴミが散乱し、ギターを弾いて歌い談笑する若者達、お喋りの興じる清掃婦らしき人。
それはそれで、地元民の生活に溶け込んだ、アットホームな心地よさも感じましたが。
海辺のロケーションということもあって、塩害で外壁もだいぶ傷んでいます。

                  ※

教会を出ると、港まで、気持ちのよい海辺の遊歩道が続きます。


 チヴィタベッキア港といえば、停泊する高層ビルのような超大型豪華客船の姿を期待していたのですが、残念ながらこの日は見当たりませんでした。

ヴェネトの貴婦人号。
 ローマから約1時間の旅、観光スポットで溢れかえる古代都市の喧騒を離れて、のんびりと海辺の太陽を楽しむのも、良いリフレッシュになると思います。